2009年10月8日木曜日
インフルエンザと漢方薬
スペイン風邪に、道伯は、胃腸型には香蘇散加茯苓白朮半夏を、肺炎型には小青竜湯加杏仁石膏を、また高熱のため脳症を発するものには升麻葛根湯加白朮川芎細辛を用いたそうだ。http://bit.ly/2CN9q6 ツムラのMRさんの話では、新型インフルエンザに1番と109番の合剤(柴葛解肌湯)が有効とのこと。
2009年7月11日土曜日
2009年2月10日火曜日
まず覚える20種類の漢方薬
「”治せる”医師をめざす」というタイトルに引かれ手に取った。170頁弱というボリュームに漢方の理論、歴史、その臨床がバランスよく、しかも西洋医学に洗脳された人間にも抵抗なく理解できるような工夫に溢れている。ちょうど123頁あたりにタイトルの節があるのだが、実際は、16処方しか挙げられていない。その16処方についての本の内容とは離れるが、個人的な覚書をしておく。
- 葛根湯(TJ-1)【ピンイン】gĕ gēn tāng 【組成】葛根 甘草 桂皮 芍薬 生姜 大棗 麻黄【出典】傷寒論【勿誤薬室方函口訣】此の方、外感の項背強急に用ゆることは五尺の童子も知ることなれども、古方の妙用種々ありて思議すべからず。譬へば積年肩背に凝結ありて其の痛時々心下にさしこむ者、此の方にて一汗すれば忘るるが如し。また独活、地黄を加へて産後柔中風を治し、また蒼朮、附子を加へて肩痛、臂痛を治し、川芎、大黄を加へて脳漏及び眼耳痛を治し、荊芥、大黄を加へて疳瘡、黴毒を治するが如き、其の効用僂指しがたし。宛かも論中、合病下利に用ひ、痙病に用ゆるが如し。
- 小青竜湯(TJ-19)【ピンイン】xiǎo qīng lóng tāng【組成】乾姜 甘草 桂皮 五味子 細辛 芍薬 半夏 麻黄【出典】傷寒論、金匱要略【勿誤薬室方函口訣】此の方は表解せずして心下水気ありて咳喘する者を治す。また溢飲の咳嗽にも用ゆ。其の人、咳嗽喘急、寒暑に至れば必ず発し、痰沫を吐きて臥すこと能はず、喉中しはめく抔は、心下に水飲あればなり。此の方に宜し。若し上気煩躁あれば石膏を加ふべし。また胸痛、頭疼、悪寒、汗出づるに発汗剤を与ること禁法なれども、咳して汗ある症に矢張小青竜にておし通す症あり。麻杏甘石を汗出づるに用ゆるも此の意なり。一老医の伝に、此の場合の汗は必ず臭気甚だしと。一徴とすべし。此の方を諸病に用ゆる目的は、痰沫、咳嗽、無裏熱の症を主とす。若し老痰になりて熱候深き者は清肺湯、清湿化痰の類に宜し。【歌訣】小青龍湯桂芍麻,乾薑辛夏草味加;外束風寒內停飲,散寒蠲飲效堪夸。
- 麦門冬湯(TJ-29)【ピンイン】mài mén dōng tāng【組成】甘草 粳米 大棗 人参 麦門冬 半夏【出典】金匱要略【勿誤薬室方函口訣】 此の方は『肘後』に云ふ通り、「肺痿、咳唾、涎沫不止、咽燥而渇」する者に用ゆるが的治なり。『金匱』に大逆上気と計ありては漫然なれども、蓋し肺痿にても頓嗽にても労嗽にても妊娠咳逆にても、大逆上気の意味ある処へ用ゆれば大いに効ある故、此の四字簡古にて深旨ありと見ゆ。小児の久咳には此の方に石膏を加へて妙験あり。さて咳血に此の方に石膏を加ふるが先輩の経験なれども、肺痿に変ぜんとする者、石膏を日久しく用ゆれば不食になり、脈力減ずる故、『千金』麦門冬湯類方の意にて、地黄、阿膠、黄連を加へて用ゆれば工合よく効を奏す。また『聖恵』五味子散の意にて、五味、桑白皮を加へて咳逆甚だしき者に効あり。また老人、津液枯稿し食物咽につまり、膈症に似たる者に用ゆ。また大病後、薬を飲むことを嫌ひ、咽に喘気有りて、竹葉石膏湯の如く虚煩なき者に用ゆ。皆咽喉不利の余旨なり。【歌訣】麥門冬湯用人參,棗草粳米半夏存;肺痿咳逆因虛火,益胃生津宜煎烹。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(TJ-12)【ピンイン】chái hú jiā lóng gŭ mŭ lì tāng【組成】黄芩 桂皮 柴胡 生姜 大棗 人参 半夏 茯苓 牡蛎 竜骨【出典】傷寒論【勿誤薬室方函口訣】此の方は肝胆の鬱熱を鎮墜するの主薬とす。故に、傷寒の胸満、煩驚のみならず、小児驚癇、大人の癲癇に用ゆ。また中風の一種に熱癱癇と称する者あり、此の方よく応ずるなり。一通り癇症にて、煩驚なく、四肢掣縦心志不安の者は、方後の加減を用ゆべし。また鉄砂を加へて婦人の発狂を治す。此の方、傷寒にては左もなけれども、雑病に至ては柴胡姜桂湯と紛れやすし。何れも動悸を主とすればなり。蓋し姜桂は虚候に取り、此の方は実候に取りて施すべし。
- 釣藤散(TJ-47)【ピンイン】diào téng sǎn【組成】甘草 菊花 生姜 石膏 釣藤鈎 陳皮 人参 麦門冬 半夏 茯苓 防風【出典】本事方【勿誤薬室方函口訣】此の方は俗に所謂癇症の人、気逆甚だしく、頭痛眩暈し、或は肩背強急、眼目赤く、心気鬱塞の者を治す。此の症に亀井南溟は温胆湯加石膏を用ゆれども、此の方を優とす。
- 温清飲(TJ-57)【ピンイン】wēn qīng yǐn【組成】黄芩 黄柏 黄連 山梔子 地黄 芍薬 川芎 当帰【出典】万病回春【勿誤薬室方函口訣】此の方は温と清と相合する処に妙ありて、婦人漏下、或は帯下、或は男子下血止まざる者に用ひて験あり。小栗豊後の室、下血不止十余年、面色萎黄、腰痛折るが如く、両脚微腫ありて、衆医手を束ぬ。余此の方を与へて全癒す。
- 大黄甘草湯(TJ-84)【ピンイン】dà huáng gān cǎo tāng【組成】甘草 大黄【出典】金匱要略【勿誤薬室方函口訣】此の方は所謂南熏を求めんと欲せば必ず先づ北牖を開くの意にて、胃中の壅閉を大便に導きて上逆の嘔吐を止どむるなり。妊娠悪阻、不大便者も亦効あり。同じ理なり。丹渓、小便不通を治するに、吐法を用ひて肺気を開提し、上竅通じて下竅も亦通ぜしむ。此の方と法は異なれども理は即ち同じきなり。其の他一切の嘔吐、腸胃の熱に属する者、皆用ゆべし。胃熱を弁ぜんと欲せば、大便秘結、或は食已即吐、或は手足心熱、或は目黄赤、或は上気、頭痛せば胃熱と知るべし。上冲の症を目的として用ゆれば大なる誤はなし。虚症にも大便久しく燥結する者、此の方を用ゆ。是れ権道なり。必ず柱に膠すべからず。讃州の御池平作は此の方を丸として多く用ゆ。即今の大甘丸。中川修亭は調胃承気湯を丸として能く吐水病を治すと云ふ。皆同意なり。
- 麻子仁丸(TJ-126)【ピンイン】má zǐ rén wán【組成】枳実 杏仁 厚朴 芍薬 大黄 麻子仁【出典】傷寒論、金匱要略【歌訣】麻子仁丸治脾約,枳朴大黃麻杏芍;土燥津枯便難解,腸潤熱瀉諸症卻。
- 潤腸湯(TJ-51)【ピンイン】rùn cháng tāng【組成】黄芩 甘草 枳実 杏仁 厚朴 地黄 大黄 当帰 桃仁 麻子仁【出典】万病回春
- 大黄牡丹皮湯(TJ-33)【ピンイン】dà huáng mŭ dān pí tāng【組成】大黄 冬瓜子 桃仁 芒硝 牡丹皮【出典】金匱要略【勿誤薬室方函口訣】此の方は腸癰膿潰以前に用ゆる薬なれども、其の方、桃核承気湯と相似たり。故に先輩、瘀血衝逆に運用す。凡そ桃核承気の証にして小便不利する者は、此の方に宜し。其の他、内痔、毒淋、便毒に用ひて効あり。皆排血利尿の効あるが故なり。また痢病、魚脳の如きを下す者、此の方を用ゆれば効を奏す。若し虚する者、駐車丸の類に宜し。凡そ痢疾久しく痊えざる者は腸胃腐爛して赤白を下す者と見做すことは後藤艮山の発明にして、奥村良筑、其の説に本づき、陽症には此の方を用ひ、陰症には薏苡附子敗醤散を用ひて、手際よく治すと云ふ。古今未発の見と云ふべし。【歌訣】金匱大黃牡丹桃,冬瓜仁又加芒硝;腸癰初起腹按痛,尚未成膿服之消。
- 桂枝加芍薬湯(TJ-60)【ピンイン】guì zhī jiā sháo yào tāng【組成】甘草 桂皮 芍薬 生姜 大棗【出典】傷寒論
- 温経湯(TJ-106)【ピンイン】wēn jīng tāng【組成】阿膠 甘草 桂皮 呉茱萸 芍薬 生姜 川芎 当帰 人参 麦門冬 半夏 牡丹皮【出典】金匱要略【勿誤薬室方函口訣】此の方は胞門虚寒と云ふが目的にて、凡そ婦人血室虚弱にして月水不調、腰冷、腹痛、頭疼、下血、種々虚寒の候ある者に用ゆ。年五十云云に拘るべからず。反て方後の主治に拠るべし。また下血の証、唇口乾燥、手掌煩熱、上熱下寒、腹塊なき者を適証として用ゆ。若し癥塊あり快く血下らざる者は桂枝茯苓丸に宜し。其のまた一等重き者を桃核承気湯とするなり。 【歌訣】防風通聖大黃硝,歸芍丹皮薑夏冬;參草益脾膠養血,調經重在養胞宮。
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(TJ-38)【ピンイン】dāng guī sì nì jiā wú zhū yú shēng jiāng tāng【組成】甘草 桂皮 呉茱萸 細辛 芍薬 生姜 大棗 当帰 木通【出典】傷寒論【勿誤薬室方函口訣】此の方は後世の所謂疝積の套剤となすべし。陰★(やまいだれに頽)の軽きは此の方にて治するなり。若し重き者は禹攻散を兼用すべし。 【歌訣】上方再加薑萸配,溫經散寒功更超。
- 桂枝加竜骨牡蛎湯(TJ-26)【ピンイン】guì zhī jiā lóng gŭ mŭ lì tāng【組成】甘草 桂皮 芍薬 生姜 大棗 牡蛎 竜骨【出典】金匱要略【勿誤薬室方函口訣】此の方は虚労失精の主方なれども、活用して小児の遺尿に効あり。故尾州殿の老女、年六十余、小便頻数、一時間五六度上厠、少腹眩急して、他に苦しむ所なし。此の方を長服して愈ゆ。
- 補中益気湯(TJ-41)【ピンイン】bŭ zhōng yì qì tāng【組成】黄耆 甘草 柴胡 生姜 升麻 蒼朮 大棗 陳皮 当帰 人参【出典】弁惑論【歌訣】補中參草朮歸陳,耆得升柴用更神;勞倦內傷功獨擅,氣虛下陷亦堪珍。
- 半夏厚朴湯(TJ-16)【ピンイン】bàn xià hòu pò tāng【組成】厚朴 生姜 蘇葉 半夏 茯苓【出典】金匱要略【勿誤薬室方函口訣】此の方は『局方』四七湯と名づく。気剤の権輿なり。故に梅核気を治するのみならず、諸気疾に活用してよし。『金匱』『千金』に据えて婦人のみに用ゆるは非なり。蓋し婦人は気鬱多き者故、血病も気より生ずる者多し。一婦人、産後気舒暢せず、少し頭痛もあり、前医血症として芎帰の剤を投ずれども不治、これを診するに脈沈なり。「因気滞生痰」の症として、此の方を与ふれば不日に愈ゆ。血病に気を理するも亦一手段なり。東郭は水気心胸に畜滞して利しがたく、呉茱萸湯などを用ひて倍ます通利せざる者、及び小瘡頭瘡内攻の水腫、腹脹つよくして小便甚だ少なき者、此の方に犀角を加へて奇効を取ると云ふ。また浮石を加へて膈噎の軽症に効あり。雨森氏の治験に、睾丸腫大にして斗の如くなる人、其の腹を診すれば必ず滞水阻隔して心腹の気升降せず。因りて此の方に上品の犀角末を服せしむること百日余、心下開き、漸々嚢裏の畜水も消化して痊ゆ。また身体巨瘤を発する者にも効あり。此の二証に限らず、凡べて腹形あしく、水血二毒の痼滞する者には皆此の方にて奇効ありと云ふ、宜しく試むべし。【歌訣】半夏厚朴與紫蘇,茯苓生薑共煎服;痰凝氣聚成梅核,降逆開鬱氣自舒。
2009年2月8日日曜日
方劑歌訣
漢方処方の生薬構成や効能を漢詩形式にした口訣をいいます。中国語のWikipediaには、外部リンクとして下記のページが挙げられております。
- The Qi 中醫常識 - 方劑歌訣(正体中文)
- 尊生堂中醫診所 - 湯頭歌訣(正体中文)
- 《中医内科学》方剂歌诀(简体中文)
- 中华康网 - 方剂歌诀(简体中文)
2009年2月7日土曜日
RomeⅢの機能性ディスペプシアの診断基準と漢方
消化器疾患と言うと、内視鏡で見える疾患が花形分野だが、90年代以降、国際的に見えない疾患にも注目が集まってきている。2006年以降使われている下記診断基準において、PDSなどは六君子湯(TJ-43)が、EPSは安中散(TJ-5)や半夏瀉心湯(TJ-14)が効果があるというエビデンスが揃いつつあるようだ。
B1.機能性ディスペプシア(機能性上腹部愁訴,機能性胃腸症)
*必須条件
1.以下の項目が1つ以上あること
a)つらいと感じる食後のもたれ感
b)早期飽満感
c)心窩部痛
d)心窩部灼熱感
および
2.症状の原因となりそうな器質的疾患(上部内視鏡検査を含む)が確認できない
*6ヵ月以上前から症状があり,最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていること
B1a.食後愁訴症候群(PDS)
*以下のうちの一方あるいは両方があること
1.普通の量の食事でも,週に数回以上,つらいと感じるもたれ感がある
2.週に数回以上,普通の量の食事でも早期飽満感のために食べきれない
*6ヵ月以上前から症状があり,最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていること
補助的基準
1.上腹部の張った感じ,食後のむかつき,大量の曖気(げっぷ)を伴うことがある
2.心窩部痛症候群(EPS)が併存することもある
B1b.心窩部痛症候群(EPS)
*以下のすべての項目があること
1.心窩部に限局した中等症以上の痛みあるいは灼熱感が週に1回以上ある
2.間欠的な痛みである
3.腹部全体にわたる,あるいは上腹部以外の胸腹部に局在する痛みではない
4.排便,放屁では改善しない
5.機能性胆 ・オッジ括約筋障害の診断基準を満たさない
*6ヵ月以上前から症状があり,最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていること
補助的基準
1.痛みというよりは灼熱感のこともあるが,胸部の症状ではない
2.痛みは通常食事摂取で誘発されたり改善したりするが,空腹時に起こることもある
3.食後愁訴症候群(PDS)が併存することもある
2009年2月6日金曜日
「ふうかん、ふうねつ〜♪」
最近、テレビCMで耳にするフレーズ。実のところ、「ふうかん」ってのは、葛根湯で、「ふうねつ」ってのは、下の林望先生の本で紹介されている「天津感冒片」で、温病学を取り込んだ中医学の処方、精製銀翹解毒片なのです。中医学、日本の漢方、韓医学、漢字同様、ルーツはいっしょでもそれぞれの進化を遂げているようです。その中でも中医学が、積極的にSARSなどと関わっていることは、「漢方まんだら」の記事に詳しいです。
2009年2月5日木曜日
ツムラ製剤名に4回以上使われている漢字40
先日の「気」以外のどんな漢字が製剤名に使われているのか、数えてみました。
- "湯",97,【ピンイン】tāng
- "散",20,【ピンイン】sǎn
- "加",15,【ピンイン】jiā
- "苓",14,【ピンイン】líng
- "黄",12,【ピンイン】huáng
- "桂",11,【ピンイン】guì
- "枝",10,【ピンイン】zhī
- "柴",10,【ピンイン】chái
- "甘",9,【ピンイン】gān
- "大",9,【ピンイン】dà
- "帰",8,【ピンイン】guī
- "夏",7,【ピンイン】xià
- "胡",7,【ピンイン】hú
- "清",7,【ピンイン】qīng
- "飲",6,【ピンイン】yǐn
- "丸",6,【ピンイン】wán
- "気",6,【ピンイン】qì
- "子",6,【ピンイン】zǐ
- "中",6,【ピンイン】zhōng
- "半",6,【ピンイン】bàn
- "麻",6,【ピンイン】má
- "味",6,【ピンイン】wèi
- "朮",6,【ピンイン】zhú
- "五",5,【ピンイン】wŭ
- "参",5,【ピンイン】cān
- "四",5,【ピンイン】sì
- "小",5,【ピンイン】xiǎo
- "仁",5,【ピンイン】rén
- "当",5,【ピンイン】dāng
- "防",5,【ピンイン】fáng
- "茯",5,【ピンイン】fú
- "肝",4,【ピンイン】gān
- "建",4,【ピンイン】jiàn
- "辛",4,【ピンイン】xīn
- "人",4,【ピンイン】rén
- "風",4,【ピンイン】fēng
- "物",4,【ピンイン】wù
- "薬",4,【ピンイン】yào
- "竜",4,【ピンイン】lóng
- "芍",4,【ピンイン】sháo
2009年2月4日水曜日
「気」の付く製剤
ツムラ製剤名に「気」という漢字が付く方剤は下記の6つある。そのうち「承気」が付くものが3つで、組成は、大黄、芒硝が共通している。
- 補中益気湯(TJ-41)
- 桃核承気湯(TJ-61) 大黄、芒硝、甘草、桃仁
- 調胃承気湯(TJ-74) 大黄 芒硝 甘草
- 桂枝牛車腎気丸(TJ-107)
- 大承気湯(TJ-133) 大黄、芒硝、厚朴、枳実
- 清暑益気湯(TJ-136)
2009年2月3日火曜日
2009年2月2日月曜日
原南陽(1753-1820)
水戸藩主徳川治保が病に伏せ、脳裏に走馬灯が巡っていたとき、劇薬走馬湯を処方して救命したのをきっかけに侍医となった。走馬湯は杏仁と巴豆を処方したものだが、それを南陽は銭九文で買ったので、九文の元手で五百石に成ったことが言いはやされたそうだ。著書『叢桂亭医事小言』の中で戦陣で良く使われる処方4種類を甲、乙、丙、丁と名づけている。甲字湯は打撲したときに、乙字湯は夜営などで体を冷やしたための循環障害で起こる痔を治す処方として、丙字湯は神経症に、丁字湯は暴飲暴食の胃薬として使用したとのことです。
2009年2月1日日曜日
出典一覧
出典が傷寒論、金匱要略であるものがツムラ製剤のどのくらいを占めるか調べるついでに、他の出典についても数えてみました。浅田家は、「神」が好きだったようですね。
- 金匱要略:27剤
- 傷寒論:15剤
- 上記双方:19剤
- 万病回春:15剤
- 和剤局方:15剤
- 本朝経験方:8剤
- 済生方:帰脾湯(TJ-65)、当帰飲子(TJ-86)、牛車腎気丸(TJ-107)
- 吉益東洞経験方:桂枝加朮附湯(TJ-18)、排膿散及湯(TJ-122)
- 外科正宗:消風散(TJ-22)、辛夷清肺湯(TJ-104)
- 一貫堂創方:荊芥連翹湯(TJ-50)、柴胡清肝湯(TJ-80)
- 浅田家方:女神散(TJ-67)、神秘湯(TJ-85)
- 原南陽経験方:乙字湯(TJ-3)
- 華岡青洲経験方:十味敗毒湯(TJ-6)
- 外台秘要方:黄連解毒湯(TJ-15)
- 脾胃論:半夏白朮天麻湯(TJ-37)
- 弁惑論:補中益気湯(TJ-41)
- 修琴堂創方:七物降下湯(TJ-46)
- 本事方:釣藤散(TJ-47)
- 明医指掌:薏苡仁湯(TJ-52)
- 保嬰撮要:抑肝散(TJ-54)
- 宣明論:防風通聖散(TJ-62)
- 薛氏十六種:竜胆瀉肝湯(TJ-76)
- 小児直訣:六味丸(TJ-87)
- 香川修庵経験方:治打撲一方(TJ-89)
- 千金方:当帰湯(TJ-102)
- 衆方規矩:立効散(TJ-110)
- 得効方:柴苓湯(TJ-114)
- 医学六要:排膿散及湯(TJ-122)
- 済世全書:加味帰脾湯(TJ-137)
2009年1月31日土曜日
2009年1月29日木曜日
文献集の作成
HOCHUEKKITO IMPROVES SYSTEMIC INFLAMMATION AND NUTRITIONAL STATUS IN ELDERLY PATIENTS WITH CHRONIC OBSTRUCTIVE PULMONARY DISEASE気になった文献をオンライン文献共有サービスのConnoteaに登録していくこととする。タグは、"kampo"。
Koichiro Tatsumi et al.
Journal of the American Geriatrics Society 57 (1), 169-70 (2009)
info:doi/10.1111/j.1532-5415.2009.02034.x
第一弾は、補中益気湯(bŭ zhōng yì qì tāng)がCOPD患者さんの栄養状態、免疫能を改善するという報告。COPD中等症~重症の71名の高齢者を内服群を34名、対照群を37名割り付け、冬期間を含む6ヶ月間フォローした研究。有意に風邪や急性増悪の頻度が減少し、呼吸器疾患用QOL質問票のスコアが改善、体重も増加するという結果が出た。CRP, TNF-α, IL-6, プレアルブミンといった指標は有意差が出なかったとのこと。
2009年1月27日火曜日
製剤在庫状況
多め
少なめ
- TJ-1 葛根湯
- TJ-2 葛根湯加川芎辛夷
- TJ-19 小青竜湯
- TJ-23 当帰芍薬散
- TJ-24 加味逍遙散
- TJ-25 桂枝茯苓丸
- TJ-29 麦門冬湯
- TJ-48 十全大補湯
- TJ-62 防風通聖散
- TJ-68 芍薬甘草湯
- TJ-78 麻杏薏甘湯
- TJ-99 小建中湯
- TJ-100 大建中湯
- TJ-104 辛夷清肺湯
- TJ-107 牛車腎気丸
- TJ-138 桔梗湯
- TJ-10 柴胡桂枝湯
- TJ-15 黄連解毒湯
- TJ-16 半夏厚朴湯
- TJ-17 五苓散
- TJ-20 防已黄耆湯
- TJ-27 麻黄湯
- TJ-32 人参湯
- TJ-37 半夏白朮天
- TJ-41 補中益気湯
- TJ-43 六君子湯
- TJ-45 桂枝湯
- TJ-47 釣藤散
- TJ-84 大黄甘草湯
- TJ-86 当帰飲子
- TJ-96 柴朴湯
- TJ-97 大防風湯
- TJ-105 通導散
- TJ-137 加味帰脾湯
2009年1月26日月曜日
2009年1月25日日曜日
少ない生薬で構成される処方
2種類の生薬から成る処方3
- 芍薬甘草湯 【組成】甘草 芍薬【出典】傷寒論
- 大黄甘草湯【組成】甘草 大黄【出典】金匱要略
- 桔梗湯 【組成】甘草 桔梗【出典】傷寒論、金匱要略
- 小半夏加茯苓湯 【組成】生姜 半夏 茯苓【出典】金匱要略
- 甘麦大棗湯【組成】甘草 小麦 大棗【出典】金匱要略
- 調胃承気湯 【組成】甘草 大黄 芒硝【出典】傷寒論
- 大建中湯【組成】乾姜 山椒 人参【出典】金匱要略
- 三黄瀉心湯【組成】黄芩 黄連 大黄【出典】金匱要略
- 三物黄芩湯【組成】黄芩 苦参 地黄【出典】金匱要略
- 麻黄附子細辛湯【組成】細辛 附子 麻黄【出典】傷寒論
- 茵陳蒿湯【組成】茵蔯蒿 山梔子 大黄【出典】傷寒論、金匱要略
- 黄連解毒湯【組成】黄芩 黄柏 黄連 山梔子【出典】外台秘要方
- 麻黄湯【組成】甘草 杏仁 桂皮 麻黄【出典】傷寒論
- 呉茱萸湯 【組成】呉茱萸 生姜 大棗 人参【出典】傷寒論、金匱要略
- 人参湯【組成】乾姜 甘草 蒼朮 人参【出典】傷寒論、金匱要略
- 四逆散【組成】甘草 枳実 柴胡 芍薬【出典】傷寒論
- 木防已湯【組成】桂皮 石膏 人参 防已【出典】金匱要略
- 苓桂朮甘湯【組成】甘草 桂皮 蒼朮 茯苓【出典】傷寒論、金匱要略
- 麻杏甘石湯 【組成】甘草 杏仁 石膏 麻黄【出典】傷寒論
- 四物湯【組成】地黄 芍薬 川芎 当帰【出典】和剤局方
- 麻杏薏甘湯【組成】甘草 杏仁 麻黄 薏苡仁【出典】金匱要略
- 苓姜朮甘湯【組成】乾姜 甘草 白朮 茯苓【出典】金匱要略
- 大承気湯【組成】枳実 厚朴 大黄 芒硝【出典】傷寒論、金匱要略
2009年1月24日土曜日
上位21生薬の範囲で構成される処方
19処方ありました。
- 大柴胡湯【組成】黄芩 枳実 柴胡 芍薬 生姜 大黄 大棗 半夏【出典】傷寒論、金匱要略
- 小柴胡湯【組成】黄芩 甘草 柴胡 生姜 大棗 人参 半夏【出典】傷寒論、金匱要略
- 柴胡桂枝湯 【組成】黄芩 甘草 桂皮 柴胡 芍薬 生姜 大棗 人参 半夏【出典】傷寒論、金匱要略
- 小半夏加茯苓湯【組成】生姜 半夏 茯苓【出典】金匱要略
- 当帰芍薬散【組成】芍薬 川芎 蒼朮 沢瀉 当帰 茯苓【出典】金匱要略
- 四逆散【組成】甘草 枳実 柴胡 芍薬【出典】傷寒論
- 苓桂朮甘湯【組成】甘草 桂皮 蒼朮 茯苓【出典】傷寒論、金匱要略
- 六君子湯【組成】甘草 生姜 蒼朮 大棗 陳皮 人参 半夏 茯苓【出典】万病回春
- 桂枝湯【組成】甘草 桂皮 芍薬 生姜 大棗【出典】傷寒論、金匱要略
- 十全大補湯【組成】黄耆 甘草 桂皮 地黄 芍薬 川芎 蒼朮 当帰 人参 茯苓【出典】和剤局方
- 桂枝加芍薬湯【組成】甘草 桂皮 芍薬 生姜 大棗【出典】傷寒論
- 芍薬甘草湯【組成】甘草 芍薬【出典】傷寒論
- 茯苓飲【組成】枳実 生姜 蒼朮 陳皮 人参 茯苓【出典】金匱要略
- 四物湯【組成】地黄 芍薬 川芎 当帰【出典】和剤局方
- 四君子湯【組成】甘草 生姜 蒼朮 大棗 人参 茯苓【出典】和剤局方
- 二陳湯【組成】甘草 生姜 陳皮 半夏 茯苓【出典】和剤局方
- 大黄甘草湯【組成】甘草 大黄【出典】金匱要略
- 当帰建中湯【組成】甘草 桂皮 芍薬 生姜 大棗 当帰【出典】金匱要略
- 桂枝加芍薬大黄湯【組成】甘草 桂皮 芍薬 生姜 大黄 大棗【出典】傷寒論
2009年1月23日金曜日
2009年1月22日木曜日
出る生(しょう)
大学受験の時、「出る単」を暗記した記憶があるが、それに準じてツムラの128種類のエキス製剤で使われている115種類の生薬の出る順を調べてみた。上位21生薬を挙げてみる。
- 甘草 gāncǎo【学名】Glycyrrhizae Radix:94製剤で使用
- 生姜 shēngjiāng【学名】Zingiberis Rhizoma:51製剤で使用
- 茯苓 fúlíng 【学名】Poria:46製剤で使用
- 芍薬 sháoyào 【学名】Paeoniae Radix:44製剤で使用
- 大棗 dàzǎo【学名】Zizyphi Fructus:39製剤で使用
- 桂皮 guìpí【学名】Cinnamomi Cortex:39製剤で使用
- 当帰 dāngguī【学名】Angelicae Radix:37製剤で使用
- 人参 rénshēn【学名】Ginseng Radix:37製剤で使用
- 蒼朮 cāngzhú 【学名】Atractylodis Lanceae Rhizoma:34製剤で使用
- 半夏 bànxià【学名】Pinelliae Tuber:27製剤で使用
- 黄芩 huángqín 【学名】Scutellariae Radix:26製剤で使用
- 川芎 chuānxiōng 【学名】Cnidii Rhizoma:25製剤で使用
- 陳皮 chénpí【学名】Aurantii Nobilis Pericarpium:24製剤で使用
- 柴胡 cháihú【学名】Bupleuri Radix:22製剤で使用
- 地黄 dìhuáng【学名】Rehmanniae Radix:22製剤で使用
- 大黄 dàhuáng【学名】Rhei Rhizoma:16製剤で使用
- 黄耆 huángqí 【学名】Astragali Radix:14製剤で使用
- 枳実 zhǐshí【学名】Aurantii Fructus Immaturus:14製剤で使用
- 沢瀉 zéxiè【学名】Alismatis Rhizoma:14製剤で使用
- 山梔子 shānzhīzi【学名】Gardeniae Fructus:13製剤で使用
- 麻黄 máhuáng 【学名】Ephedrae Herba:13製剤で使用
2009年1月21日水曜日
私の漢方処方の現況
ツムラの128種類のエキス製剤のうち従来よく使っていたのは、一割強の下記製剤。
- 風邪→葛根湯(TJ-1)
- 肝臓病に小柴胡湯(TJ-9)
- ヒステリー球→半夏厚朴湯(TJ-16)
- 更年期障害で冷え性がある→当帰芍薬散(TJ-23)
- 更年期障害でふけさめがある→加味逍遙散(TJ-24)
- 更年期障害で傍臍悸がある→桂枝茯苓丸(TJ-25)
- インフルエンザ→麻黄湯(TJ-27)
- ACE阻害薬の副作用の咳→麦門冬湯(TJ-29)
- 食欲不振→補中益気湯(TJ-41)
- 術後の食欲不振→十全大補湯(TJ-48)
- しゃっくりや肝硬変の人のこむら返り→芍薬甘草湯(TJ-68)
- 老人性掻痒症→当帰飲子(TJ-86)
- イレウス→大建中湯(TJ-100)
- ネフローゼ→柴苓湯(TJ-114)
2009年1月19日月曜日
はじめに
Все счастливые семьи похожи друг на друга, каждая несчастливая семья несчастлива по-своему.ドストエフスキーの『アンナ・カレーニナ』は「幸福な家庭はすべてよく似よったものであるが、不幸な家庭はみなそれぞれに不幸である」(中村白葉訳)という一文だけの段落で始まっている。
クリニックを訪れる患者さんは、様々な愁訴をもって来院される。西洋医学的方法論に立つと、問診・診察をして、必要な検査をして、異常を認めなければ、「あなたは正常です」と告げることになる。しかし、これは先に挙げた不幸な家庭の方に、年収は平均以上、いいお宅にお住まいで、奥様はお美しく、お子様も健康で、優秀な学校にお通いになっている。お宅は決して不幸ではありません。」と諭しているようなものである。そのような矛盾は、専門医のときは、「私の分野では」という免罪符があるので、気にならなかったが、家庭医療を掲げて診療するようになって、無力さを感じることが多くなった。
そんな頃、浅岡クリニックの浅岡俊之先生の三回にわたる講演を拝聴した。用語混乱の元凶が翻訳にあるということ、漢方は体調を中庸に戻すという考えであること、四診の優先順位のことなどを伺い、目から鱗だった。その後も漢方に興味は持ちつつ、実践には至ってはいない。しかし、社会的にも、医療問題、食料問題、環境問題、健康格差などなど山積する課題の一解決策となる可能性を感じて、漢方を勉強してみようと思い立った。
そんな一内科医の学習の足跡としたい。
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